【nail座学】皮膚の構造と働き

ネイリストの大下です*

ネイルの為の皮膚科学

爪は皮膚の付属器官であり、爪を扱うネイリストは皮膚についての知識も必要です。
爪と皮膚の関係、皮膚の働き、構造などの基礎知識から学びましょう。


皮膚の構造と働き

皮膚は体の外表面を覆っている大切な器官で、その総表面は成人で1.6㎡、厚さは平均2.0~2.2mm、重さは体重の約16%を占めています。
皮膚は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層からなっています。また、他に汗腺、皮脂腺、毛、爪など、皮膚から発生した付属器官もあります。

◎汗腺
汗を分泌している部分

◎皮脂腺
皮脂を分泌する器官

◎毛・爪
主に皮膚を保護する器官

 

皮膚の働き

皮膚は洋服で例えると「コート」のように、体を包む「外皮」であり体の表面を覆って様々な働きをしています。皮膚には、主に下記の3つの作用があります。

保護作用

皮膚の表面は弱酸性の皮脂膜で覆われていて、外界からの異物やウイルス、微生物の侵入や付着を無害化する働きをしています。また、紫外線などの光線を吸収し、散乱させて体を保護する役目をするなど、皮膚はバリア機能も持っています。

 

◎体調調節作用

人には恒常性(内部環境を一定の状態に保つ働き)があり、外界の温度が変化しても、ほぼ影響を受けず、一定の体温を保っています。表皮の角質層と、皮膚の最下部にある皮下組織は熱を伝えにくい性質があるので、体内の熱の放散を防ぎ、外気温の変化の影響を伝えないようにしています。また、体温調節として、体内の体温が高くなった場合は汗腺(皮膚の付属器官の一つ)から汗をだします。

 

◎吸収作用

皮膚が乾燥している時に、保湿クリームなどを塗布すると皮膚がしっとりするのは経皮吸収の働きがあるからです。経皮吸収とは、皮膚を通して物質を体の中に取り入れる事です。皮膚から吸収されやすい物質には、油性物質のクリーム類や油溶性ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなどがあげられます。

1.表皮

A.角質層<かくしつそう>

表皮の一番外側にあり、脱核して(核を失って)死んだ細胞です。表皮のターンオーバー(角化周期)によって徐々に上方へ押し上げられ、最終的にフケや垢となって平均約4週間で剥がれ落ちます。

B.透明層[淡明層]<とうめいそう・たんめいそう>

表皮の厚い手のひらや足の裏だけにあり、細胞の境界がほとんど認められません。

C.顆粒層<かりゅうそう>

扁平または横に長い 紡錘形<ぼうすいけい>ケラトヒアリン顆粒()が多く含まれています。
ケラトヒアリン顆粒とは、ガラス質状の粒子で光線を屈折する働きがあり、紫外線を反射する。

D.有棘層<ゆうきょくそう>

表皮で最も厚い層です。表皮に血管はありませんが、この細胞の間にはリンパ液が流れていて、栄養を送る役割をしています。

E.基底層<きていそう>

表皮の最下層で、真皮の乳頭層の毛細血管から栄養を補給し、常に細胞分裂を行い、上の有棘層に移動していきます。1列に並ぶ単層構造で数個おきに色素細胞(メラノサイト)が点在しています。

F.ランゲルハンス細胞

表皮内に存在する樹枝状態で皮膚免疫を司り、外部から侵入する菌、ウイルス、カビ、紫外線、熱など様々な皮膚情報を脳へ伝達するセンサーの役割を担っています。

G.角化細胞<かくかさいぼう>

表皮細胞の95%を占めています。
基底層にある角化細胞の分裂により産生され、有棘層、顆粒層で上へ上へと移動しながら変性し、約2週間かかって角質層に達し、その後約2週間を経て乾燥し、フケや垢となって剥がれ落ちます。

H.色素細胞(メラノサイト)<しきそさいぼう>

皮膚の色素であるメラニンを産生する細胞です。
紫外線があたると、色素細胞(メラノサイト)からメラニン色素が生成されます。

 

2.真皮

表皮の数倍の厚さで、乳頭層と網状層からなっています。血管が豊富で、暑い時は拡張して熱を放散し、寒い時のいは収縮して熱の消失を防ぐ等、体温調節の役割も果たしています。

・乳頭層<にゅうとうそう>

表皮の基底層と接し、毛細血管・脈管・神経系の多い部分です。

・網状層<もうじょうそう>

コラーゲン(※1)が一定の規則で配列され、エラスチン(※2)が継ぎ目にあたる部分に網目状に交わり、その瞬間をヒアルロン酸などが満たし、これらが皮膚の弾力・潤いを保っています。

(※1)コラーゲン(膠原線維)<こうげんせんい>とは、太くて丈夫線維たんぱく質のこと。

(※2)エラスチン(弾力線維)<だんりょくせんい>とは、弾力があり波状の線維たんぱく質のこと。

 

3.皮下組織

皮膚の最下層で、皮下脂肪組織とも呼ばれ、皮膚とその下にある筋肉や骨との間にある部位で、保湿と栄養貯蔵(エネルギー保存)に役立っています。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。